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シジュウカラを保護して丁度1週間。

2日に一番小さいヒナが亡くなってしまい、
ハナミズキの下に埋葬した。
前日他の子に比べてあまり食べず、皆が毛繕いしたり、
バタバタと羽を広げたりしているのに、すぐに寝てしまっていた。
変だなあと思いつつ、夕方口を開けさせて食べさせ、
明日の朝まで様子を見てみようと、そのまま寝てしまった。
翌日起きたら、もう息をしていなかった。
おかしいと気づいていたのに、食べなかったわけじゃないし、
栄養分の多い卵黄もあげたから大丈夫なはずと、
勝手に納得してしまった自分に腹が立つ。

ヒナが元気だったころの姿を思い出すと、悔しくて何度でも泣けた。
2日間気持ちが沈んで、どうしようもなかったけど、
泣いてる場合か、アホ!!やるべきことはあるやんか。

こういった小さな異変にどう対処するか、調べてみた。

まず、保温。鳥たちは体温が高くて、人間にとって暖かくても、
30度ぐらいはないと体温が下がってしまう。ヒナは産毛だから尚更。
夏だし、と温めずに夜を過ごさせてしまったのが衰弱の原因だと思う。
昨日もう一羽が少し元気なくて、やはり亡くなったヒナのように、
食べるとすぐに寝てしまっていた。
砂糖水が良いと聞いて、30分ごとに1,2滴与え、
段ボールから、藁のふかごに住まいを変え、
庭の苔を乾かしたものを集めて入れた。
温度・湿度計を買ってきて、電気スタンドを近くに起き、
30度&湿度60%に保つようにしたら、少しずつ回復して、
夜には大量に食べてくれた!一安心。

今朝は3羽そろって、びーび鳴いている声で起こされた。
ホっとした。。。はあ~。

もうヒナと呼ぶには大きい。1週間でこんなに大きくなるんだなあ。
真ん中の写真が保護した2日後、下が今。
色もはっきりしてきたし、一回りは大きい。飛べるようになった。
糞をするとき、もうお尻を上にはあげない。普通にする。
自分の力で餌を食べたいようで、前みたいに大きく口を開けない。
少しは開くけど、すぐ餌をつつこうとする。
こっちとしては時間がかかって、やりにくいんだけど、
成長してる様子が分かって嬉しい!

今日は一羽ずつ外に出して、自分で餌を食べる特訓開始。
ミールワームを半分に切って、くわえさせると自分で飲み込むように
なって、ワームがくちばしの先につくと、ふかごの縁で固定し、
はぐはぐ食べていた。知恵がついてきたぞ~。
一人餌の練習に粟玉を使うと良いらしく、あげてみたら、
少しだけつついて自分で食べた。。感動・・・・。
この1週間でどうにか一人で食べられるようになりますように。

今、ふかごを大きめの箱に入れて、
ふかごから出て遊べるようにしてる。
餌をやろうと近寄ると、すぐに箱から出てきて、縁に止まって催促。
時折部屋の中で飛んだり、手に止まったり、私の前に降りて来て、
つぶらな瞳でじっと見てる。
野生に帰るんだから、あんまり慣れても良くないのだけれど、
人間に対する警戒心がゼロになってしまった。う~ん・・複雑な心境。

もうとっくに巣立っている時期だと思うけど、まだ時間かかるかなあ。

色んなこと考えさせられます。
生き物のこと、野生のこと、自然のこと、自分のこと。

花を育て始めてから、今まで覚えられなかった花の名前が
心に残るようになったり。車を運転している最中に、
道路脇の木や民家の玄関先に植えてある花に自然と目が行き、
景色に奥行きが出て、
生き物のエネルギーに圧倒されるようになったり。

それと同じ。

小鳥は以前から大好きだったけど、
外のさえずりを聞くときに湧きあがってくる感覚。
これが、今までとは断然、違う。
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一昨日、やっと。やっとの放鳥。
これまでの経緯、誰かの役に立つ可能性も考えて、
詳しく報告しようと思う。

シジュウカラ達は、あれから少しずつ餌を自分で食べられるように
なっていた。そんな矢先、一羽が部屋の中で飛んで、
壁にぶつかって亡くなってしまった。
それまでも飛ぶ練習のために餌の時は比較的自由にさせていて、
壁にぶつかることはあったけれど平気だったし、
餌をやっている時は遠くまで飛ぶことはなかったから、油断していた。

死んでしまったのは、一時期元気がなくなり、
30分ごとに砂糖水をやり、保温して、どうにか回復した子だった。
一番とろくて、一人餌の練習中も他の二羽に
餌を横取りされてしまうような子。だから、余計に可愛く思えていた。
元気になってもう少しで外に出られたのに、
全面的な信頼を持って命を預けてくれていたのに、応えられなかった。
私の手の中で、少しずつ冷たくなっていく命を前に
人間の私には、飛び方を教えることはできないという、
当たり前のことを痛感させられた。

動揺のあまりに眠れなくて、どうするべきか考え続けた。
今の自分は冷静な判断が出来る精神状態ではないし、
これからもしばらくはそうだろう。余計に過保護になるだろうし、
部屋で放し飼いにすれば、同じことが起こる可能性がある。

野鳥に詳しく、放鳥まで段階的に面倒を見てくれる施設はないか、
関東周辺で調べて、翌朝いくつかの施設に電話して話を聞いてみた。
希少価値のある動物か、怪我をしてる動物しか受け入れていない所、
うちと同じような壁のある部屋で放し飼いにするため、
衝突の危険がないとは言えない施設もあって、
預けることは出来なかったけど、
シジュウカラの世話の仕方についてアドバイスをしてくれた。

以下、野鳥のヒナを保護してる人が読む可能性を考えて、
アドバイスされたことも書いておこうかな。

1)ヒナを保護したら毎日体重をはかる。体重が減らないように注意。
2)まずは保温。弱っている場合は砂糖水。
3)壁にぶつかる危険については、普段から部屋の構造が見える
籠に入れて、飛ぶ前に慣れさせる。
それでも、羽が生え揃って飛ぶ本能が芽生え始めた頃は、
外に向かって飛ぶ本能がとても強いため危険が高まるとのこと。
雛ははじめは直線にしか飛べず、旋回出来ないので、
ガラス窓はカーテンをして、絨毯や畳など、
落ちた時の衝撃が弱い部屋で放すなどの工夫が必要だと言われた。
うちは、カーテンはしていたけど、当たったのは壁の方で、
床がフローリングだったから、
衝撃も強かったのかもしれない。

そして、最後に電話したのが、受け入れを快諾してくれた、
川崎にある野性動物ボランティアセンター。
野生動物救済の経験が豊富な獣医さんが立ち上げた施設で、
傷ついた野生動物を保護し、自然に帰す活動をしている。
電話で事情を伝えたら、いつでも連れて来て下さいと言われた。
話をしただけで、動物への細やかな配慮や、
野生への復帰を第一に考える姿勢が伝わってきて、
ここならばと思えた。

どのように野生に返すのか、具体的に聞いてみたところ、
まず餌を一人で食べられるようになるまでは小さめの籠で保護。
一人餌に慣れてきたら、雀やメジロなどの
他の小さな鳥たちと生活する野外にある広めの網のケージに移し、
毎日餌の置き場所を変えて、自分で餌を探して食べられるよう、
学習させる。一人で十分に餌を確保できるようになったら、
飛び回ることのできる更に広いケージに移す。
ケージの中には木の枝などが止まり木に使われていて、
屋外にあるため雨の日も外にいるような自然に近い状態。
他の鳥たちとも慣れて、自由に飛べるようになったら、
晴れの日が続いた後の早朝に、
近くの等々力緑地で放鳥するとのこと。
シジュウカラは集団で行動するから、自分をちゃんと鳥と認識し、
仲間と群れで生活出来るかどうかが、
生き死にの分かれ目になると言われた。

電話で話した翌日、2羽をふかごに入れて川崎まで行ってきた。
最後の餌やりの時に、一羽が甘えて手の平に乗ったまま
餌をねだって、その姿に愛おしさと、
最後まで面倒を見られなかった不甲斐なさがどっと押し寄せてきた。
でも、ここで感情に任せて、私が最後まで面倒を見るんだと
二羽を囲っても、それはエゴでしかない。

母には、人に触れた時点で、違う運命を歩み始めたのだから、
それはそれで受け入れて、家で飼えば良いのではないか?
無理して自然に帰しても、生き延びることが出来ないかもしれないし、
巣箱を外してしまった責任はあるけど、
起こってしまったことは仕方ないのだから、と言われた。
そういう考え方もあると思う。母が言いたいことは分かる。
でも、家で育てている最中も、
外の鳥の声に反応して耳を澄ませている姿や、
羽が生え揃ってすぐにバタバタと羽ばたき始めた、
その本能を目の当たりにしていると、
どうしても家の中で飼うという気持ちにはなれなかった。
これも私のエゴかもしれないけれど。

武蔵小杉から更にバスに乗って施設に向かっている最中に、
暗くしていたふかごからタオルを外して中を覗き見たら、
私の顔を見て「ピチュピーピー、ピチュピーピー!」
(←まだツツピーになり切れてない…)と鳴き始めてしまった。
施設から、過去に長時間移動のストレスで死んでしまった鳥がいた、
という話を聞いていたから、元気な姿にホッと一息。
施設に到着して、先生と話をしたら、
「とっても健康そうですから、心配ないですよ」と言われた。
「様子をうかがいに時折電話しても良いですか?」と聞いたら、
「いつでも大丈夫ですよ」とのこと。柔和な優しい先生でした。

帰宅してから、心配になってしまい「餌食べましたか?」と
速攻で施設に電話してしまった。時折じゃないじゃん・・。
先生は「餌、食べましたよ。すごく元気ですよ。
一羽は餌を自分でついばむんですが、
もう一羽がね、ちょっと甘えたさんで餌を催促しますね。」と、
快く状況を報告してくれた。
「で、ワームですが、もしかして半分に切ってあげてました?」
ぬ!?何でわかったんだろう・・。一人餌の練習の時に、
そのまま丸ごと上げていたら、あちこちに飛ばしてしまい、
一人でうまく食べられなかったから、半分にして、
自分でつついて飲み込めるようにしていたのだった。
「実は、シジュウカラは、大きな幼虫でも足で押えて、
引きちぎる習性があるんですよ。
雛も少しずつそうやって餌を食べるようになるんです。
ちょっと甘やかしてしまいましたね?」と笑われてしまった。
代理母失格・・。

先生によれば、二羽は人懐こく、
このままだと手乗りシジュウカラになってしまい、
森に放鳥しても市街などに戻って来てしまうかもしれないので、
方針を変えて、人との接触をゼロに近い状態に持っていく努力して、
他の鳥たちとの生活に慣れさせようと思いますと話してくれた。

この電話での対応で、先生と、
この施設に出会えたことを心底有り難く思った。
私一人の力では神経が行きとどかなかった点が沢山ある。
動物の生態に対する配慮のある環境で、
他の鳥たちから学びながら成長できる。飛ぶことも餌を取ることも、
親鳥の代わりに、仲間が教えてくれるかもしれない。
ただ、やはり鳥たちがいなくなって、部屋の中が静かになり、
不在が大きく感じられた。
籠が置いてあった辺りには、鳥達の懐かしい匂いがするし・・。
でも、そんなとき、庭におたまじゃくしを沢山発見したり、
夏野菜が健やかに成長している姿を見て、元気づけられた。
この庭の中だけでも、日々、無数の命が育まれ、
自然の営みが繰り広げられている。

その1週間後、電話で様子を聞いてみると、
自分でワームを引きちぎったり、ヒマワリの種を割ったり、
バラエティに富んだ餌を自分で探して食べるようになり、
大きなケージの方で元気に飛び回ってるとのこと。
そして、7月26日の晴れの朝、無事放鳥されたとの電話が入った。

二羽は、他のシジュウカラやメジロや雀と一緒に自然に帰った。
共に群れを作ることの多い仲間たちとの放鳥は心強いし、
「もう、待ってました!と言わんばかりに林の方へあっという間に
飛んで行って、見えなくなってしまいましたよ。
他の鳥たちも皆同じ方向に飛んで行ったので、
恐らく一緒に行動すると思います。
これまで何度も色んな鳥を放鳥してきましたけど、
その経験からしても、今回のはすごく良かったんです。」とのこと。

「いきなりすごく広い場所に放されて驚くことはないんですか?」
と聞くと、「全くないですね。野生の本能なんでしょうね。
近くの木に止まって、じっとこっちを見てるような鳥だと逆に不安です。
一目散に遠くまで飛んで行く今回のようなケースは、
人から出来るだけ離れようとする野生の本能の現れなので、
そういう意味でも、すごく安心しました。」

最後に、先生は冗談っぽく
「ま、最後にお礼の一言ぐらいあっても良かったですけど、
野生は顧みることをしませんからね。」と言った。
「いつまでもくよくよしてるのは、人間ぐらいかもしれないですね」と、
二人でひとしきり笑ってから、感謝の気持ちを伝えて電話を切った。

二羽が林に向かって羽ばたいている姿を想像したら、
たくさんの想いがこみ上げて、涙が止まらなくなった。
そして、先生の「野生は顧みませんから」との言葉に、
ヒナを死なせてしまったという事実に余計な意味づけをせず、
後悔という慰みにもせず、ただ、そのままを受け止めて、
見続けていられたら・・と思った。

野鳥の生存率はとても低く、シジュウカラなどの小さな野鳥だと、
ヒナの一年後の生存率は僅か一割から二割だそう。
一年を越せたら生存率は上がるけど、
やはり巣立ちヒナの多くは捕食されて、
健康で強いものだけが生き残り、子孫を残すのだ。
自然界の掟。
人には侵すことのできない領域。

その夕方、薄暗くなった家の中、
電気もつけず掃除機をかけていたら、
居間の隅で小さく光るものがある。瀕死の蛍だった。
暑くなって、近所の田んぼでも見かけなくなったのに、
こんなところでまだ生きていたのだ。
外に出て、池の近くの土の上に置いたら、もうほとんど動けないのに、
幽かな光を放ち続けていた。
あの子達の命も同じ。

それでも、どうしようもなく人間に生まれついた私は、
祈らずにはいられない。

一日でも長く生きられますように、と。