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陶芸を始めて10周年。そして、初めての個展。

私が土いじりの世界に出会ったのは、テレビ局の仕事に身も心もへろへろになっていた頃。
週末に陶芸教室の一日体験に参加し、手びねりの湯呑を1つ作った。
ピンク色の指跡だらけの、肩が凝りそうな分厚い湯呑。
でも、そのいびつな湯呑を作るというたった2時間の行為に、
私は確かに救われた。

物を作る、って、造形や色彩への感受性を呼び覚ます行為なんだろうな。
陶芸教室を出てみたら、世界が今までと違って見えた。
あ、そうか。人間も、自然も、そこらに落ちている石ころも建物も、
目に映るものはすべて造形であり、色彩なんだ。
その当たり前のことがとても新鮮に思えた。
今まで何気なく見ていたものが、いきなり強烈な存在感を持って迫ってくる感じ。

これは、私に足りないものを教えてくれる世界だな、と直感した。
私に必要な何か。それは生活を根本的に見直すということ。

仕事をやめよう。
そして、これから何を大事にして生きていきたいのか、何に目を向け、
どんな空気を吸って、どんな風に人と関わっていきたいのか、
そんなことをゆっくりと考えながら、1年間陶芸教室に通おう。
1年経っても陶芸が好きという気持ちが変わらなかったら、日本に帰国しよう。
そう心に決めた。

そして、1年後、私は日本に帰国し、益子町に移住。
焼き物の修行を始めた。

独立するまでの5年間は、何を作りたいのかよく分からなかったし、
憧れる焼き物はあっても、自分の手が作り出せるものとは圧倒的な開きがあって、
打ちのめされることの方が多かった。
自分でも笑っちゃうくらい不器用だし、基本的に今だって、
土はやっぱり自然のままが一番良いな~と思ったりするものだから、
「私、本当に器を作りたいのか?」なんて自問自答したりもした。
でも、続けるうちに、自然の力に手を添えさせて貰いながら学び、
生まれたものが人との繋がりに発展していく、
見知らぬ誰かの生活の一部になる、という体験に魅了されるようになった。

四季や外の空気を感じながら作業が出来ること、
肉体労働でもあることも性に合っている。
そして、何より、素晴らしい出会いに恵まれた。
だからこそ続けられたんだと思う。

修行を始めた頃、10年経って、ある程度納得いくものが作れるようになったら、
個展を開きたいなあと思っていた。
それは自分の中に秘めていたことで、
口に出したことは一度もなかったのに、本当に不思議。
昨年末、絶妙なタイミングでチィのふみちゃんが、
来年個展をしない?と声をかけてくれた。
ふみちゃん達が大事に育ててきた空間に、
器を並べることが出来るということだけでも光栄なこと。
機が熟すってこういうことなのかな。
必然のような偶然が重なって、導かれているような気がした。

個展は、今日で早くも5日目。

在廊日の週末は、開店と同時に沢山の人達が駆け付けて下さった。
陶器市で出会ったお客様が遠方から足を運んで下さったり、
新しい出会いがあったり、
大切な人、友達や家族がサプライズでお花や差し入れを手に応援に来てくれたり・・。
3日のライブのために集まってくれたアフリカン仲間も本当に暖かくて。
一人一人がここにいてくれること、そこにある想いが心底有難くて。

初日から胸は一杯、心の扉は全開。
言うまでもなく涙腺も緩みっぱなしで、連日うるうる。
ライブ前の挨拶の最中も、懸命にこらえていたのだけれど、
柔らかい太陽が降り注ぐ中、皆の表情を見ていたら、
うれし涙で言葉が出て来なくなってしまった。
チィのふみちゃんをはじめ、
友達や常連さん、初めてお会いしたお客さんまで目を潤ませていて、
余計に止まらない連鎖・・・!
こんなところでも、類は友を呼ぶのね。

ライブの後、大好きな幼馴染と彼女の素敵なパートナーが差し入れしてくれた
ノンアルコールの美味しいシャンパンをあけて、
カフェに集まっていた皆で乾杯した。

それはそれは、美しい週末でした。

一生忘れないと思う、初個展のこと。
そう言ったら、ふみちゃんに「まだ終わってないけ~どネ~!!」と突っ込まれたけど。

皆に支えられて、生かされていることを痛感させられる焼き物の仕事。
これからも大事に大事に育てていきたいと思う。

この場を借りて、皆さん一人一人に感謝です。
本当にありがとうございます。
最終日まで気合い入れて頑張ります♪