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きのうは小さな粉雪が舞い降りるなかひとりで一輪挿しを制作した。気持ちが柔らかいままにすーっと深いところに凝縮されていくような静かな時間。
一輪挿しは小さくてまんまるい。道端に咲いている花や草を摘んで入れるだけで、部屋の片隅がほんのり明るくなる。だから自分でも気に入っている。
 
前日、車中でかけていた上原ひろみさんのアルバムの曲を思い出していた。いつもは注意深く飛ばしている7曲目のFirefly。ぼんやりしている隙に最初のかすかな音が聴こえてきてしまったのだ。あ と思ったけれど、気まぐれに音に身をゆだねた。
あの人との最期の日々に聴いていた曲
 
彼のかすかな息遣いと重なるように響く音。曲が終わりそうになると、CDデッキに手を伸ばして最初の音から繰り返しかけた。だから最後の一音を聴くことはなかった。
曲を聴くと、あのときの身体とすっぽり入れ替わる。その身体に心がついていかなくなりそうだから・・と思っていたのに
 
雪のなかに立つ感覚は何かに似ている。蛍や月の光を見上げるとき、一瞬にして連れていかれる場所に通じているのかもしれない。息をしなくてもずっと生きていられるような
昨夜寝る前に目に留まって何気なく聴いた曲。こんなところにも通じていたのか

原田郁子(clammbon) & 青葉市子 & さや(テニスコーツ)
「青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている」
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目もくらむほど 息もとまるほど 
ああ 自由だよ
あなたに出逢えて変わったの 
不思議なくらい いま自由だよ 
命が燃える音を聴いたの
 
部屋のなかで吐く息が白い。もう一曲聴いてから今日をおしまいにしようと思って曲を探す。
これも偶然なのかな。
さやさんの言葉のあと「月がどうのこうのとか言い出す人怖いし」。2人のやりとりはいつも素敵だ
テニスコーツ「月の音」 (Click!) 
  
曲が終わって目を閉じたけど、身体のどこかかすかな場所がずっと起きていて、そのまま朝が来た。
ぽかぽか。
時折風が吹いて粉雪が舞う
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とある伝統工芸の取材で、城里町の桂雛、常陸大宮の西ノ内和紙、そして大子漆の八溝塗の職人さんたちにお会いしてきた。
 
初対面のときの表情が、制作の話を掘り下げていくうちにほぐれ、作業場に移って手を動かし始めた途端に、その声も身体も生き生きと躍動する。
その姿がたまらなくて、美しくて、とても豊かな気持ちにさせられた。
 
原料の栽培から販売まで、一貫して手がけていらっしゃる方に、畑を見せていただいた。
素人には途方もなく思える繊細な工程を経て、一本の木や植物が人にしか生み出せない何かに変わる。
その手元をずーっと見ていたかった。
一番最初にこの世に産み落とした人は、どんなことを思っていたんだろう
 
雑談のなかで、友人たちの名前も出てきた。
うれしい。
 
今回詳しくお話を伺った桂雛の小佐畑さんは、これまで出逢われた方々とのご縁や言葉をとても大切にしていらっしゃって、尊敬されている方々のお話もたくさんしてくださった。
今朝思いがけず、丁寧なメールをいただいた。私が器を作っていることはお伝えしていなかったのに、名刺を頼りにホームページを見てくださっていて驚く。
  
その文章を読みながら、お店の入り口に左手をあげて座っていた有田焼の招き猫を思い出していた。
ものづくりも日々の生きるということも、地域の風土だけでなく、人とのご縁を招き入れる大らかさや真摯な姿勢のなかで、紡がれていくものなんだろうな・・と改めて感じ入る。
  
しかし使い込まれた道具って、ほんとうにカッコいい。その存在感に吸い寄せられる。無性に触りたくなる。
作品とは別に道具特集を組んでほしいぐらい、たくさんのものが詰まっている気がする。

手仕事って、やっぱりいいな
好きって、素晴らしいな